在庫商品や売掛債権を担保に資金計画
従来から、日本での資金調達の為の担保としては、不動産担保や保証人を立てることが主流であったため、在庫商品や取引先への売掛債権などの資産はあるけれど、不動産や保証人がいないような事業主の方は、思うように融資が受けられないのが現状でした。
そこで、経済界からの要請もあり、これらの資産を担保にスムーズに資金調達が受けられるよう法整備がなされました。これがいわゆる「動産・債権譲渡登記制度」です。
債権譲渡登記とは
債権譲渡を受けた場合、民法上は第三債務者(債権者から見て、債務者が有する債権の相手方)に対する通知又は承諾による対抗要件を取得する必要があります。しかし、日々発生、消滅を繰り返す売掛債権などは、多数の第三債務者についてその都度通知や承諾をとることはとても煩雑で費用がかかり、現実的ではありません。
そこで民法の特例法(「債権譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律」)が制定され、法人が債権譲渡を受けた場合に、特例法による登記をすることによって、債務者以外の第三者に対する対抗要件を具備できることになりました。又、対象債権には将来債権も含まれることになりました。
これにより、売掛債権を担保にしやすくなったため、実務界では、資金調達や取引先への追加担保に差し入れるなど利用されており、現在注目されております。
動産譲渡登記とは
動産を活用した資金調達の場合、倉庫にある在庫商品や機材などを譲渡担保に取り、所有権を債権者に移す方法が一般的です。しかし、外観的には債務者の占有の下に置かれるため、第三者からは譲渡担保の目的になっていることがわからず、調査ができないことを理由に、金融商品としては浸透していませんでした。
そこで、債権譲渡の特例法を改正する形で、新たに動産にも登記制度を設けました(「動産及び債権の譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律」)。
これにより、譲渡担保の目的となった動産を登記することにより、対抗要件を取得することができることになりました。
近年、企業が保有する在庫商品や機材を、動産譲渡登記することにより資金調達を受ける事業主様が増えております。
2つの登記の併用
企業(債権者)の商品は、売却されることにより、買主(債務者)のもとで商品在庫となり、更にそれが第三債務者へ売却されることにより、買主(債務者)のもとで、売掛債権へと変化致します。
前述の新たな法制度は、流通過程において変化するこれらの資産を、各々の段階に応じて担保資産として網羅的に捉えることを可能にしました。
当事務所では、そのようなお客様の実情に合わせ、必要な手続をご提案いたします。まずはお気軽にご相談下さい(相談料無料)。
動産・債権譲渡登記手続き | |
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